第52章

プロジェクト交流会当日、会場には大勢が詰めかけていた。大島莉理と佐伯清司は田中辰哉の車で乗りつける。

だが田中辰哉は現地に着くなり一本の電話を受け、以降の段取りを二人に丸投げした。

「くれぐれも、俺をがっかりさせるなよ」

「田中社長、ご安心ください」

大島莉理は途端に肩の荷が重くなるのを感じた。責任の重みが、ずしりと背中に乗る。

「すべて計画通りに進めます。ミスは出しません。社長はお忙しいほうへ」

腰を低く、言葉は端的に。

まるで教科書通りの優秀な部下だ。

田中辰哉がくすりと笑った。

大島莉理は訳が分からない。

「……何ですか? 私、何か変なこと言いました?」

「いや。...

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